- お墓は誰が建てるのですか?
お墓は誰が建てるのか、ということも問題になります。
従来、家督相続思想に強く影響されて「故人の長男」や「嫡孫」が建てるのが一般的でしたが、 兄弟平等の相続権が認められている現在では、兄弟で建墓費用を負担する例も多くみられます。
しかし、建立者名は、記念碑ではありませんので建墓費用に関係なく、祭祀を主宰するひと一人にするのが普通です。 - お墓はいつ建てるのですか?
これからお墓を建てようとする人が、いちばん気を遣うのが建墓の時期ではないでしょうか。
仏教的にはなんの制約もありませんが、供養の面から考えますと少しでも早く建ててあげ、納骨するのが亡くなった方々への供養になります。 - お墓を継承するときは?
お墓は一般の財産とは区別され登記もいらないし、税金もかかりませんが精神的に大きな財産といえます。
また、その家の歴史を継承することになりますのでとても大切なことなのです。
お墓は建ててしまえばそれで終わりということではなく、子孫から子孫へうけつがれ、とどこおりなく祭祀されるということに重要な意味をもちます。 - 分家初代がお墓を建てるときは?
分家初代とは、本家から独立した二男、三男などのことをいいます。
新仏がないのに分家初代でお墓をつくると、つくった直後に新仏が出来るということをよく耳にしますが、これは死に対する恐怖心から、数少ない事例が誇大に伝わったものであり、建墓本来の意義からみますとまったく逆なのです。
いずれは自分たちの家族も入るお墓ではありますが、その前に自分の生と肉体を授かった先祖を供養する供養塔なのです。 - お墓の手入れ方法を教えてください
墓石にはよく、松ヤニや、鳥の糞、水あかや土砂ぼこりなどがつきますが、これらは早く取りのぞかないと石の風化を早めることになります。
よく絞ったタオルや布できれいに拭きとりましょう。
これを定期的に行っていますと、いつまでも墓石の表面のつやが保たれ、風化を防ぐことができます。
お墓は、私達の家と同じで、先祖の住まいであることを忘れないでください。日あたり、水はけ、風通しのよいところに建てられた清潔なお墓こそ、遠いたましいとの触れあいを与えてくれる大切な心の故郷なのです。
お墓の手入れは死者への供養であり、非常に大切なことです。お盆、彼岸は勿論、機会をみてはお参りし、お墓を常にきれいにしておきたいものです。お墓参りの際の「供物」は持ち帰りましょう
せっかくの花や供物を鳥獣が食いちらかしては、故人の供養になりません。まして腐敗した供物がいつまでも墓前にならんでいるにいたっては論外です。供物などはお参りが終わったら帰りには持ち帰りましょう。 - お墓が完成するまでの期間を教えてください
お墓を建てるにあたって要する日数は、石材の加工から始めて、基礎工事から据付までおよそ一ヶ月以上はかかります。
予定をよく考え合わせて早めに発注しましょう。 - お墓を新しく建て直すときは?
お墓を新しく建て直すときは、古い墓石のお魂ぬき(抜根法要)を行ってから、新しい墓石を据付けてお魂入れ(開眼法要)を行います。
- 自分のお墓を生前に建てるときは?
生前建てるお墓のことを「寿陵」といいます。
家に幸せをもたらし、長命を約束されるとされています。
その名称からもわかるようにおめでたいこととされています。- 寿陵の開眼法要の場合には、お祝いごとに準じた服装をします。
- 墓石に仏名または俗名を刻んでおく場合には、文字に朱を入れておきます。
- ご僧侶へのお布施は、紅白の「のし袋」を使用します。
- お墓を移転(引越し)させたいときは?
お墓をもとにあった所から、別の場所に移すことを「改葬」といいます。
無許可で行えば法律に触れますので、次のような手続きをしなければなりません。- お魂抜き(抜根法要)、戒名、古い墓石の整理
- 埋葬証明書(墓石管理者の証明)
- 受け入れ証明書(移転先の墓地管理者の証明)
- 改葬許可の交付(元のお墓のある役場)
- お魂入れ(開眼法要)
- 寺院墓地または霊園を購入(申込み)するときは?
寺院墓地(お寺や境内にある墓地のこと)を購入するときは、自分の家の宗派を確認してから選びましょう。
最近、寺院によっては宗派を問わず受付けるところもあります。
また、公営や民営の霊園の場合、管理や施設の状況と、申し込んでから購入できるまでの時期などをよく確かめて選びましょう。
遺骨はお墓ができあがるまで寺院墓地または霊園の納骨堂に預けておくこともできます。 - 墓地に必要な広さ(面積)を教えてください
一般的には都市部で一区画「四平方メートル」、地方で「六平方メートル」くらいの墓地が多いようです。
建てるお墓の形式や予算に応じて広さを決めましょう。